しらすの秘密!?主役にも脇役にもなれて、簡単おいしい!

小鉢やご飯のお供など、日本の食卓のポピュラーな魚として親しまれているしらす。素朴な味わいがあり、様々な料理と相性抜群の食材です。栄養価の面から、最近はアスリートの食事やダイエットにも注目され、アレンジレシピもかなり見かけるようになりました。そんなしらす、何の種類の魚なのかご存知でしたか?さらに、どこで獲れるのか、いつが旬なのか、意外と知らないことばかりの魚。今回はそんなしらすにスポットをあててみました。

「しらす」って、地域によって違う魚?!

しらすってそもそも、なんの魚のことか知らずに食べている人も多いのではないでしょうか。稚魚(仔魚・未成魚)なのか、成魚なのか?みなさんはどう思いますか?実はしらすって、いわしやうなぎ、あゆなど、体に色素がない稚魚の総称なのです。市場によく流通しているのはかたくちいわしと呼ばれている魚の稚魚が多いと言われています。地域によって「しらす」として食べている種類が違って、例えば東北地方の「しらす」は、いかなごの稚魚が主です。

かたくちいわしは口を開くと上顎を動かさず、下顎が目立つことから、「かたくち」という名がつきました。日本や中国、台湾、朝鮮半島周辺の沿岸に生息し、英名は「Japanese anchovy(ジャパニーズアンチョビ)」。ついにあの奥深い味わいが世界にも認められた!? そんな感慨を彷彿とさせる名前ですよね。

また、「しらうお」や「しろうお」という似たような白くて半透明の魚もいますが、しらすとは全く違う魚。しらうお(白魚)はサケ目シラウオ科の「殿様魚」とも呼ばれる高級魚で、しろうお(素魚)は、スズキ目ハゼ科の丸みを帯びた頭と腹ビレが特徴の魚です。いずれも春に美味しい魚ですが、混同せずにそれぞれの味わいを楽しみたいものです。

おいしい!しらす丼

材料 [2人分]

釜揚げしらす 50g
ごはん 茶碗1杯分
卵黄 1個
小ねぎ 1本
大葉 1枚
きざみのり 1g
甘みそ(お好みで) 少々
しょうゆ 小さじ1

  1. 器にごはんを盛ります。小ねぎは小口切りにします。
  2. 釜揚げしらすを全体にのせ、卵黄・大葉・小ねぎ・きざみのり・甘みそをトッピングします。
  3. お好みでわさびまたはおろししょうが(分量外)をのせ、しょうゆを回しかけます。

関東と関西で分かれる漁法の違い

しらすは通年食べられるイメージがありますが、最もおいしく食べられる旬は、春しらすと秋しらすの年2回。水揚げは国内各地であり、代表的な産地としては兵庫(淡路島)や、静岡(駿河湾)があげられます。

主に行われる漁の方法も地域によって特色があります。しらす漁は海の中で銀色に輝くしらすの群れに向かって、目の細かい大きな網を投げ入れて漁獲します。それを関西方面では3隻の船がひとつの船団となって網を引いて群れを獲る「船びき網漁」、関東は一隻の船でしらすをすくい上げる「一艘引き漁方法」で行います。

網びき漁法は一度で大量に獲ることができる一方、一艘引き漁法は、短時間でしらすを捕獲できるメリットがあります。漁は各地域で定める禁漁期間があり、しらすの名産地・湘南では1月から3月中旬の禁漁期間が解禁となると「生しらす」のノボリがいくつも風にたなびき、地元の人にとっては春の到来を告げる旗印となります。鮮度が命の「生しらす」のおいしさは、水揚げ場所一帯でしか味わえない地元の特権でもあります。

桜えびとしらすのライスせんべい

材料 [2人分]

桜えび 10g
しらす 20g
ごはん 100g
しょうゆまたは塩 適宜

  1. ごはんを粗くつぶし、クッキングシートに広げ、桜えび・しらすを全体に散らし、上からクッキングシートをかぶせて麺棒で薄くのばし、約5cm角にちぎります。
  2. フライパンで両面がパリパリになるまで中火で焼き、熱いうちにお好みでしょうゆまたは塩をふります。

呼び名がたくさん、おいしさも多彩

生しらすは水揚げ後すぐに死んでしまうため、素早く加工して市場に出荷されます。釜揚げしらすやちりめんじゃこなどは、全てしらすですが、その加工法や地域によっても呼び名が異なります。

水揚げ後に湯がいたものが関東では「釜揚げしらす」、関西では「釜揚げちりめん」とも呼ばれます。それを天日で軽く干したものが関東では「しらす干し」、関西だと「太白ちりめん」「中干しちりめん」「やわ干し」などと呼びます。さらに乾燥させて水分を飛ばしたものが関東、関西とも「ちりめん」や「ちりめんじゃこ」と呼ぶものです。ちなみにこちらは関東地域では「かちり」、関西では「上干しちりめん」と呼ぶ人もいます。

このようにしらすは湯がき、天日干し、乾燥という加工による3段階で呼び名が変わり、地域によっても変わります。少々ややこしいので、下記の表を参照してください。呼び名がたくさんある分、おいしさも多彩。水分含有量が多いほど柔らかくて食べやすく、乾燥度が高くなるとうま味が凝縮され、食感も歯ごたえも増します。お好みのしらすをお楽しみあれ。

淡白なうま味が凝縮され、和風でも洋風でも

しらすはデリケートな食品なので、保存方法にも気をつける必要があります。タッパーなどの保存容器は蒸れて鮮度が損なわれるので、冷蔵保存する場合はザルなど通気性を確保できるものに入れることをおすすめします。また、使う分を小分けにしてアルミホイルなどで包み、冷凍保存すれば1ヶ月程度持たせることもできます。釜揚げしらすなど、水分量が多いものほど、鮮度が大事になります。

また、魚を丸ごと食べられるしらすは、効率的に栄養を摂取できる食品としても近年注目の的。アスリートやダイエット中の方にも人気です。食感が柔らかいので、離乳食にも最適ですね。淡白なうま味が凝縮されたその味は、和風でも洋風でも相性抜群。ポン酢や果汁などと合わせてもおいしさが引き立ちます。

そんな味の特長から、しらす丼などの主役からサラダや炒め物のアクセントなど、脇役としても大活躍。どんな料理でもごく簡単にできるのも魅力です。例えば、しらすのガーリックトーストは、しらすと刻んだパセリをオリーブオイルであえて、バターとにんにくを塗ってトーストしたバケットにのせるだけ。パーティーやお酒のつまみにもぴったりです。早速今夜、試してみませんか。

ちりめんじゃことししとうの炒め煮

材料 [2人分]

ちりめんじゃこ 30g
ししとう 100g
サラダ油 大さじ1
砂糖 小さじ1
酒 大さじ1
だし汁(水でも可) 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1

  1. ししとうは軸をとり、斜め2等分に切ります。
  2. フライパンにサラダ油を熱し、ししとうを炒めながら砂糖・酒・だし汁の順に加えます。
  3. 水分がなくなったら、ちりめんじゃこを加えて軽く炒め、しょうゆ・みりんで味をととのえます。

 

今回はしらすの知られざる魚種から漁法、加工法、調理までのトピックスと魅力を集めて紹介しました。難しい調理や下ごしらえも要らず、気軽に食べられて、栄養も◎二重まるなしらす。スーパーや魚屋にズラリと並ぶおいしい旬の季節です。いつものメニューに、ちょっと一品加えてみてはいかがでしょう。

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