どんな料理にも相性抜群!あさりの旨味

日本人にとって親しみのある貝のひとつといえばあさりではないでしょうか。4月〜5月が最盛期となる潮干狩りでも定番ですね。おいしくて、いろいろな栄養価があるといわれていて、各地の遺跡や貝塚からも多く発見されていて、古くより食用とされてきたことがうかがえます。江戸時代にはあさり売りが市中をねり歩き、庶民の耳目を集めていました。今回は、みんなが大好きあさり特集!砂抜きなど下ごしらえのコツ、定番レシピを紹介します。

産地によって貝殻の模様が違う!?

日本の食卓に馴染み深い貝のひとつといえばあさり。日本各地で水揚げされる貝ですが、最も漁獲量が多いのはどこでしょう。農林水産省の2018年のデータによると、1位は愛知県、2位は福岡県、3位が北海道となっています。日本全体の漁獲高は年々減少傾向にあり、輸入品が増えているそうです。

あさりは産地によって貝側の模様に特性があることをご存知ですか。例えば愛知産は茶系が多く、北海道産はあさりの象徴ともいえるあの幾何学的な模様がなく全体的にグレーなのです。千葉産は白黒、茶、ブルーなど多彩な色合いが特徴です。身の大きさは北海道産が最も大きく、愛知産は殻が薄く、ふっくらとしているのが特徴だそうです。

日本各地の貝塚から貝殻が出土していることから、縄文時代から食されてきたことが窺われます。江戸時代には、あさり売りが歩き回り威勢の良い掛け声をあげていました。当時は江戸前の干潟であさりが獲れ、潮干狩りは庶民にとって日常的な娯楽でした。その様子は数多の錦絵にも残されています。そして、人々の胃袋を鷲づかみにしたのが生のあさりとねぎを味噌で煮込んでご飯にぶっかけた「深川めし」。まさに、あさりは江戸庶民のソウルフードだったのです。

鮮度の見分け方や砂抜きのコツとは

さて、そんなあさりの新鮮さの見分け方を紹介しましょう。まず、基本は口がしっかり閉じているもの。塩水に入っている状態なら、水管を出しているあさりは生きている証しです。

海水を入れた密閉パックで売られている場合は、パック内の海水の透明度をチェック。水が濁っているものは避けましょう。海水のない状態でネットやビニールに入れられたタイプは、匂いを嗅いで異臭がしていないかを確認してください。また、あさりを横から見て甲高で厚みのあるものは、身が大きくてプリプリしているといわれています。

あさりを買ってきたら砂抜きです。美味しく食するために欠かせない下準備ですね。まず、あさりをボウルに入れて殻の表面の汚れを取りましょう。表面をこすり合わせるようにして水で洗います。スーパーなどで購入したあさりはそれほど汚れていないので簡単でOK。潮干狩りで獲ってきたあさりは、表面の汚れが水に出なくなるまでしっかり洗いましょう。

次に、ボウルに水と塩を入れ混ぜ合わせます。塩分は海水と同じ3%にすると砂を吐きやすくなります。水500mlに対して塩15gを入れると3%、一つの目安として覚えておくと良いでしょう。塩水を入れたボウルにざるを重ね、あさりをつけます。ざるを使わずにボウルの中に直接あさりを入れる方が多いと思いますが、それだとあさりが吐いた砂をもう一度吸ってしまうことがあります。ざるを入れることで吐いた砂がざるの下に落ち、二度吸いを防止できます。

水量はあさりがちょうど浸るくらいがベスト。水が深いとあさりが酸欠で死んでしまう場合があるので、殻を開けるときに塩水が適度に入り、酸欠を防ぐよう水量を配慮することがポイントです。あとは、アルミホイルや新聞紙などで蓋をして、1時間ほどおきます。蓋をするのは、暗くして砂の中の状態を再現するため。水管から勢いよく水を吐き出すことがあるので、周囲の汚れを防ぐ目的もあります。

様々な味を引き立てる万能食材

味噌汁はもちろん、ご飯と合わせた炊き込み、ラーメンやパスタ、ピザの具としてもすっかりおなじみ。蒸してよし、煮てよし、アレンジ次第で和風にも洋風にも変幻自在。あさりは食材として万能といえます。今回は、おかずにもお酒のつまみにもぴったりの定番、バター蒸しとあさりご飯を紹介します。

あさりのガーリックバター蒸し

フライパンに10gのバターと薄切りにしたにんにくを入れて弱火にかけます。バターが溶けてにんにくの香りが立ってきたら、砂抜きしたあさりを入れます。白ワイン大さし3、水大さじ1を加えて蓋し、あさりの殻が開くまで蒸し煮します。仕上げのバター5gとしょうゆ小さじ1を加えてひと混ぜ。イタリアンパセリや水菜、ねぎなどのお好みの野菜を飾れば出来上がりです。

あさり自体のおいしさはもちろん、あさりの旨味とにんにくのエキスが染み込んだスープもこの料理の醍醐味。パスタやパンをつけて食べると、さらにおいしさが広がります。バター蒸しではなく、酒蒸しにしてもあさりの旨味が引き立ちます。

あさりごはん

洗米した米と昆布、水をボウルに入れて約30分浸します。砂抜きしたあさりを鍋に入れ、しょうゆと酒をかけて蓋をし、あさりの殻が開くまで蒸し煮します。あさりを取り出し、殻から出しておきます。残った汁に水を加えて100ccにして炊飯器に入れます。先ほどボウルに浸してあった米と昆布に塩を少々加えて混ぜ込み、炊きます。炊き上がったら昆布を取り出し、あさりを加えて約10分間蒸らします。昆布を細かく刻み、針しょうがとともにあさりご飯に混ぜ、器に盛りつけます。

あさりごはん

材料 [2人分]

あさり 300g
しょうゆ 大さじ1/2
酒 大さじ1
米 2合
昆布 4cm
水 300cc
たけのこ(水煮) 80g
塩 小さじ1/4
しょうが 1片
木の芽 適宜

  1. 洗った米・昆布・水をボウルに入れ、約30分間ひたします。たけのこは一口大の薄切りにします。
  2. あさりは3%濃度の塩水(分量外)につけて砂抜きし、殻をよく洗い、水気を切ります。
  3. (2)を鍋に入れ、しょうゆと酒をかけてふたをし、あさりの口が開くまで蒸し煮します。あさりは殻から出し、残った汁に水(分量外)を加えて100ccにします。
  4. 炊飯器に(1)・(3)の汁・塩を入れて混ぜ、炊きます。
  5. 炊きあがったら昆布を取り出し、あさりを加えて約10分間蒸らします。
  6. 昆布は細かくきざみ、しょうがは針しょうがにして(5)に混ぜます。器に盛り付け、木の芽を飾ります。

身がプリプリと引き締まり、豊かな香りと食感が楽しめるあさり。様々な料理、味付けとも相性抜群で、あさりから引き出される旨味が料理全体においしい効果を加えます。これから、潮干狩りのシーズンが到来。仲間や家族で計画を立ててみてはいかがでしょう。その前に、今夜はあさりで、ガーリックバター蒸しですね。食卓においしい海の香りが広がりますよ。

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